Skip to content


D坂の自販機

▼D坂は

乱歩が作家になる以前、兄弟二人とともに営んでいた古書店「三人書房」のあった千駄木の団子坂がモデルでありますが、其の場所あたりには現在、面妖なるものが屹立しております。


▲夢の自動販売機なるもの

文京区に忽然とあらわれた歌舞伎町といった趣。
「一夢 1000円」「夢の世界へスタート!」などの文句が踊る。
出てくる商品写真はPSPやデジカメ、iPOD、ライター、時計……皆様が『monoマガジン』で見慣れた商品です。

まったくもってくだらぬ。

実に低俗。

俗世にまみれたくだらない物欲まみれの唾棄すべき凡人どもがいかにも喜びそうな子供騙しの手口ではありませんか。

何十万もする高級ブランド品や最新式の携帯型電子遊戯機……斯様な物が1000円で入手できれば誰も苦労はいたしません。

まったく馬鹿馬鹿しいにもほどがある。

けしからん。けしからん。けしからん。

ひととおり自販機の前で毒づいたあと。

……。

わたしはその自動販売機の前に立ち、あたりに人の気配がないことを確かめ、すかさず千円札をすべりこませました。

▲ガコンという異音とともに匣が現れます。

思ったよりも大きな白い匣でした。
さすが1000円も払ったかいがあります。
大きさのわりには軽いのが不安ですが、きっと杞憂でしょう。
すぐに家に帰りましょう。
胸はドキドキです。
高級ブランド品か、いや、PSPだろうか、まさかPS3……まて……もし……美少女型のロボットがはいっていたら……

どうしよう!

興奮してきた!

浮き足立ちながら帰宅し、刃物を持ってそれを開けますと。


▲?

はて。

これは一体如何なる物か。

なにやら、胸の奥がざわざわと落ち着かなくなってまいりました。

意を決してフタを開けました。

すると……

なんと……



▲猟奇的なまでにタオル風のタオルのようななにか

▲1000円
では買えない練り込まれた超弩級デザイン

▲誰か助けてくださいという意味のダイイングメッセージ

現世は夢、夜の夢こそまこと――乱歩


[`evernote` not found]

Posted in 日常.

Tagged with , , , .