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霊的動画批評第1回「創世のアクエリオン」

▼突然ですが自分は幼少の砌より、学習研究社様が毎月発行されておられる「謎と驚異のスーパーミステリーマガジン『ムー』」という雑誌を愛読しております。
ここで言うミステリーとは京都や時刻表がどうのといったものとは違い、奥様方の愛読しておられる週刊誌風に書けば「UFO念写! 米政府と月の裏に基地を持つ宇宙人との真昼の密会!」であり、「ユダヤ黙示録! 天皇家と十二使徒との爛れた関係!」であり、「謎の蛾男モスマン(アメリカ)とモケーレムベンベ(コンゴ奥地)の熱愛発覚!」である。
要するに『ムー』は我が国唯一のオカルト雑誌です。

このコラムの趣旨は表向きアニメの紹介である。
だがそれはアキバ系の目を欺く方便。裏の真の目的、それは日本が世界に誇るジャパニメーションに散りばめられた霊的メッセージを読み解く、本邦初の霊的動画批評(スピリチュアルアニメーションクリティーク)を行うことである。
諸君は不可解に感じたことはないだろうか?
何故、日本政府は子供の視聴するまんが映画などに助成金を出そうとしたり、やたらと海外に日本アニメーションの技術の高さを喧伝するのか。
その理由がここにある。
つまり政府はすべて知っているのである。
なにを?
それは言えぬ。
すべてを明かすには諸君らでは心許ない。
段階を踏まねばならぬ。
今回は、まず前世の存在を受け入れることを学ぼうではないか。
初回資料は現在、深夜枠で絶賛放映されている『創世のアクエリオン』というアニメだ。

舞台は未来、人類の過半数が死に絶えた世界。翼を持つ堕天翅族という敵が蘇り、人類は海底遺跡から発掘した兵器で闘いを始めた――。

このアニメはシリアスな合体ロボットアニメである。
自分も毎回夢中で見させていただいている。
金髪で妙な髪型であるヒロインのキャラ造形も最初は気に入らなかったが、回を重ねるごとに声優のかかずゆみさんの演技も相まって自然なものとなってきた。
ヒロインと主人公の男は前世の恋人同士だが、過去世の記憶はまだ蘇っていないため険悪ムードだ。
悪印象から始まるのは恋愛ドラマの王道であり、過去世が蘇っていない者にありがちな行動である。
リアリティへのこだわりが見える。
さて、このアニメをまず視聴していただきたい。
何を感じただろうか。

「なんだよこれ、スポ魂かよ」
とか
「顔なげえよ」
とか
「メカのバトルシーンが鉄拳みたい」

とかそういうことは間違っても言ってはならぬ。
思ってもならぬ。
悪意ある言霊と邪悪な思考は魂を汚す。
正しい視聴者の答えは「なんだか前世、恋人がいたような気がする」である。
無意味な懐かしさなどが胸を突き上げて蘇ってくるとなおさら良い。
それは諸君の封印された記憶が蘇りつつある証なのだから。
次に10日ほど断食してから鏡を用意して隣の住人が怒鳴り込んで来るか来ないかの音量で再度アニメを視聴しつつ自分の身体をじっと見つめていただきたい。
三、四時間でオーラが見えるはずである。
そこまで行けばやっと諸君らはアニメーションに秘められたスピリチュアルなメッセージを受け取る資格を得たことになる。
その調子で前世の記憶に身を委ねれば万全である。
あらゆる人には前世がある。
たとえばアントニオ猪木はヘラクレスであり、チベットの高僧ダライ・ラマは前世もダライ・ラマであり、ダウンタウンの浜田は、冷蔵庫のドアについている卵入れらしい(以前松本さんが仰っていた)。
確かに皆、一様にそれらしきオーラを放っておられる。
前世を思い出せば自ずとオーラも見える。
オーラが見えれば前世も見える。
その二つが見えてこそ真の霊的動画批評が可能になるのである。
次回はさらにこのアニメの隠されたメッセージを諸君らに明かそう。
引き続き視聴と断食を続けていただきたい。

獲得した能力:〈前世回想力+10〉〈オーラ可視力+10〉〈アニメ批評力+20〉〈精神分裂力+50〉

▼霊的動画批評とは?
かつてクイックジャパンで連載していたカルト人気を誇ったコラム。あまりに超論理的だったために誰もついて来れないままマッハの速度で加速しつづけた結果七回で終了した。この原稿は第一回目。まさか後にパチンコになるとは思わず、当時はアクエリオンの突き抜けた展開にシビれまくっていた。



(初出:Quick Japan)


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