「創作」タグアーカイブ

別冊文藝春秋

「今日はどのくらい書いたんだい?」
「ピリオドをひとつ打った」
「それだけかい?」
「それだけじゃない。そのピリオドを消したよ」
冗談ではなくこれは少なからぬ作家の日常です。小説を書くのは簡単です。ただ、読ませるのが難しい……そう、だけど私は負けない。毎日、改行を入れては消す仕事をしています。大丈夫、私は元気です。
ただいま発売中の別冊文藝春秋11月号にて、中村航さんと、創作についての対談をしています。
別冊文藝春秋では「新人発掘プロジェクト」なるものを開催しています。原稿を送って頂き、おもしろそうなら編集者が担当としてついて二人三脚でがんばろうという企画です。枚数は30枚からと非常に敷居も低い……ように見えますがナメていると痛い現実を見ることになるでしょう……30枚できっちり面白いものを書くのは難しい。
そんなわけで、新人さんへの応援として、「こういうことしてみるといいかも」、という話をしております。小説を書く上で創作論なんてのは実は必要ないのです。好きだったら勝手に書くだろうし、書かないならばあなたにとって、それは重要ではないのです。が、それを確認するためにも、興味おありの方はぜひどうぞ。

こちらのサイトで中がちょっと読めます。
▼別冊文藝春秋
http://www.bunshun.co.jp/mag/bessatsu/




[`evernote` not found]

ユリイカ*特集「貴志祐介」に論考

▼花粉が……

すさまじいゆえ、激しく頭がはたらかない海猫沢ですが、久しぶりにユリイカに執筆させていただきました。今回は『悪の教典』に続き『ダーク・ゾーン』を上梓したばかりの貴志祐介さんの特集です。いきなり巻頭対談が貴志祐介×町田康と、意外な組み合わせになっていて興味深いです。私は『悪の教典』についての論考と、初期プロットのコメントを担当しております。この初期プロット、実に原稿用紙にして300枚近くあったので(笑)抜粋となっていますが、プロットから小説を書こうとする方は参考になるかと思いますので一読してみてください。内容は以下。

特集=貴志祐介 『黒い家』『硝子のハンマー』『新世界より』『悪の教典』『ダーク・ゾーン』・・・エンターテインメントの革新

【対談】
「引き返し不能地点」 から小説ははじまる / 貴志祐介×町田康

【恐怖と悪と小説の教授(プロフェッサー)】
秘められた情熱 / 田辺青蛙
『悪の教典』、ポスト金八先生の時代 / 海猫沢めろん

【創作の舞台裏】
『悪の教典』 NOTE 初期プロットより / 貴志祐介 [コメンタリー=海猫沢めろん]

【ジャンルを内破するエンターテインメント】
統合された新しさ 『悪の教典』 を戦争小説として読む / 陣野俊史
ジャンル理性批判 ホラー的ハイブリッド小説 『新世界より』 を中心に / 中沢忠之
情に棹させば騙される貴志祐介ミステリ / 杉江松恋

【インタビュー】
荒唐無稽とリアルさの交点 小説を読む愉しみ、書く歓び / 貴志祐介 [聞き手=杉江松恋]

【貴志祐介アナリシス】
親しげでいかがわしいものたち 『十三番目の人格(ペルソナ)ISOLA』 と世紀転換期の日本 / 千野帽子
『黒い家』 に困る / 東雅夫
存在論的なまどろみの中で 『天使の囀り』 を読む / 横田創
デスゲームはゲームたりうるか? 『クリムゾンの迷宮』 が予示していたもの / 米光一成
社会の体感不安の申し子 『青の炎』 の 「青さ」 のダークサイド / 円堂都司昭
『硝子のハンマー』 の両義性 本格とミステリのあいだ / 蔓葉信博
もうひとつの、No Man’s Land 『新世界より』 を読む / 小谷真理
これからの 「悪」 の話をしよう / 伊藤氏貴
過剰なる隠喩と解釈可能性の悪夢 『ダークゾーン』 の恐怖について / 藤田直哉

【資料】
貴志祐介全著作解題 / 小田牧央・酒井貞道・蔓葉信博・藤田直哉
『十三番目の人格(ペルソナ)ISOLA』 角川ホラー文庫、1996/角川書店、1999(「ISOLA 十三番目の人格(ペルソナ)」 と改題)
『黒い家』 角川書店、1997/角川ホラー文庫、1998
『天使の囀り』 角川書店、1998/角川ホラー文庫、2000
『クリムゾンの迷宮』 角川ホラー文庫、1999
『青の炎』 角川書店、1999/角川文庫、2002
『硝子のハンマー』 角川書店、2004/角川文庫、2007
『狐火の家』 角川書店、2008
『新世界より』 講談社、2008/講談社ノベルス、2009/講談社文庫、2011
『悪の教典』 角川書店、2010
『ダークゾーン』 祥伝社、2011

なにとぞよろしくお願いします。

[`evernote` not found]

大阪芸術大学学園祭にて

▼インタビューが載ります

大阪芸術大学の文藝サークル「創作考房」さんの発行する季刊紙『OR gate』にて、インタビューされた模様が収録されてます。今回はけっこうなボリュームがあり、創作について具体的な方法論を語っています。相手も創作者ということで、海猫沢式の小説描き方メソッドを図とともに公開してますので、興味がある方は明後日、10/30日開催の大阪芸大学園祭に行って本書をゲットしてみてください。

ORgateとは
創作考房で毎年発行している雑誌です。本誌は基本的に日頃の創作活動の集大成としてのスタンスを持ち、1年間のうちに合評本で掲載された作品のうちから、セレクトされた作品と新たに書き下ろされた作品が収録されています。現在のところ発売は大阪芸術大学内の書店「ユーゴー書店」内と学園祭での販売のみとなっております
※ネット上での発売は、検討中です
>>>http://soukou203.hp.infoseek.co.jp/ORgate.h

ちなみにその海猫沢式メソッドがどうやってできたかというと、ワタクシ、人の前に出てしゃべったりするのが本来、非常に苦手なのですが、それより上位の信念に「やったことないことは、とりあえずやる」というのがありまして。それにのっとって数年前に、大学とか専門学校やらで小説についての話をしたことがあり、結果、大失敗しました(笑)なにも話すことなんてないし、しどろもどろになるし、つっこまれるし、大ひんしゅくでトラウマになりそうでした(マジで心折れかけた)。でもそこで逃げたらずっと怖いままなので何度かまたボロボロの講義のようなものをこなすうちに慣れて、なんとか生徒たちに小説を通じてもっと世の中のおもしろいとこを見てほしいなあと思ったんだが。どうだったんだろ。ちょっとは小説の書き方の入り口くらいまでは教えられるようになったような、ならなかったような。そんなあやふやなカンジで授業してたときに作ったレジュメみたいなのがそのメソッドの元。正しいかどうかはわかんないし、こういう技術論ってどのジャンルにもあるんだけど、実はその技術論にはあまり意味がないんだよな……自分との相性とかの問題もあるし、全部理解してもできないものはできないし。知らないほうが強かったり。つうか……ともかく身体でやってくしかない。同業者にどうやって書いてるか聞いてみると「最初と最後だけ考えてあとはテキトウ」っていうのがわりと多かったりするし。教えられてすぐ理解できるようなことは、たいしたことじゃないんだよな。人の意見など聞くな、孤独に耳を傾けろ、というのが俺の結論です。適度に……自己憐憫に浸るのと勘違いしないようにね。
しかし、まあ、なんだ、こういったメソッドというのは、感覚的に書いた作家の原稿を編集者の方々がなおすときに使うほうが有効なのではないかと思われ。映画におけるスクリプトドクターみたいなかんじで。
まあ、楽しみつつ試行錯誤……ダヨネ(瞳孔全開)。

[`evernote` not found]