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霊的動画批評第6回「かしまし」

▼アニメを心の目で霊的な角度から批評するこのコーナー〈霊的動画批評〉。今月紹介するアニメは巷で話題の性転換萌えアニメ「かしまし」であります。前回モロッコで性転換して乙女になった海猫沢ですが、またアレを付けました。ミシェル・ウエルベックの『素粒子』なみにジェンダーレスです。

▼「かしまし」は裏山に落ちてきた宇宙船にぶつかって衝突死した少年が、気づくと宇宙人の力で女になって蘇生していた。という、リビドー丸出しのオタク中学生が見た夢のような、わけのわからないアニメなのですが、ここに少女二人との三角関係がからみ、複雑怪奇なラブコメへと発展していきます。が、そんな表面的なことはどうでも良い。霊的に見ると、この作品は大変重要な霊的進化を促すメッセージに満ちている。独自調査で突き止めたその事実をここに公表しよう。

▼とある土曜のことだった。自分は友人であるゲイのカップルと一緒に新宿で食事をすることになった。和肉を食い、ほろ酔いになった彼らはおもむろにこう言った「ねえ、めろんちゃん、せっかくだし二丁目へ行ってみない?」吹き出る冷や汗。こいつ……超能力者か。なぜカミングアウトしていないのに分かったのだ……内心の焦りを隠し震える声で「べ、べつに自分はゲイではありませんが……ま、まあ一度くらいなら行ってみようじゃないか」そして自分はついに二丁目デビューを果たした。

▼初めて行く二丁目は妙に違和感がなかった。なんとなく似たような格好をし、それとなくオーラを出しているゲイの人々。ゲイ用にカスタマイズされたショップ。そこら中で偶然出会った知り合いが久闊を叙し、ジャーゴンでなにやら語り合っている。アキバのデジャヴを感じる……。昔からオタクとオカマの類似性の高さを指摘している自分であるが、実際に目の当たりにした異文化の接点に感激。そして連れて行かれたお店はカウンターとカラオケを備えた小さなマンションの一室だった。「あら。いらっしゃ~い」何の疑問もなくゲイとして扱われていることが気になったが、まあそれはおいといて。数時間後に何か違和感を感じた。さきほどからカラオケを歌い始めた店員のセレクトに偏りがある。「残酷な天使のテーゼ」「輪舞-revolution」「檄!帝国華撃団」全部アニメ、しかも微妙に古い。カウンターのオカマが、夢枕獏の小説のようにニヤリと壮絶な笑みを浮かべて「いいもの見せてあげるわ」と背後の棚から取りだした写真――自分はそれを目にした瞬間、雷のような霊的啓示に撃たれ、未知の動物にかじられて喜ぶムツゴロウさんのような快感に打ち震えた。

▼そう。そこにはオカマとかしまし原作者であるあかほり先生がツーショットで……やはりそうだったのか……(編集部注:カウンターで飲んでるだけの写真です)「かしまし」は二丁目文化とオタク文化が霊的に融合して産まれたハイブリッドアニメであり、ゲイ文化を広めるための福音だったのだ!考えてもみよ。普通にかわいい男子に萌えても、社会的常識に阻まれて公言をはばかられる。だがその男が肉体的に女子になってしまえばどうだ。たちまち萌えの嵐!しかし!ちょっと待っていただきたい。あなたが萌えているはずむ君(性転換した主人公です)は果たして男なのか女なのか?

▼近代においては、性差とは身体の差異である。が、しかし萌えを高次の精神的活動とするならば、肉体など関係ない。ここにおいて精神の上位性が見られる。ということは肉体が女になろうが関係なくはずむ君は男なのである。つまり、なんにせよはずむ君に萌えてしまったあなたはある意味深層心理でゲイへの素質を秘めていることに他ならない!さあ「かしまし」を見てなにか妙な気分になってしまった諸君!カミングアウトせよ!ブロークバック・マウンテンを越えてアキバと二丁目を繋ぐ架け橋となれ!あとスピーカーから粘性を帯びた百合色の液体が噴き出しそうな、ゆかりん、堀江由衣、植田佳奈のネットラジオも聞き逃すな!世界はもう狂いはじめている!性別というシステムを破壊せよ!アナーキー・イン・ザ・かしまし!めろん先生は両刀です!

▼獲得した能力:〈アニメ批評力+10〉〈映画批評力+10おすぎ〉〈ゲイパワー+30フォー〉


初出:QuickJapan

今思うとこのアニメは「男の娘」をこの時点で先取ってたね。

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霊的動画批評第5回「アカギ」

▼アニメを心の目で霊的な角度から批評するこのコーナー〈霊的動画批評〉。担当の海猫沢です。前回、植物人間になりましたが、モロッコで性転換して乙女になりました。立派なツンデレになれるよう頑張ります。

新年の挨拶なんてしないんだからねっ! ほ、ほんとうよ! そんなもの私には必要ないんだから! 実にくだらないわ。そんなものを信奉しているような者は死ぬが良いわ。いい?だいたいお年玉というものがいけないの。決して私は去年の年収が200万以下だったから誰にもお年玉をあげなかったわけじゃないのよ……こういう古い習慣を疑うことから新世紀を始めようと言いたかったの……。そ、そんな目で見ないでって言ってるでしょ! どこ見てるのよヘンタイ! もう! 心臓刺すわよ。

▼今回とりあげる作品は『アカギ』。よ。そう『アカギ』と言えば、週刊少年マガジン連載(打ち切り)の超人気漫画『無頼伝涯』でおなじみ、福本伸行先生の代表作。何よ? 私のほうが詳しいのよ! あなたは黙って文章を読んでればいいの。あ、あなたの苦手な麻雀漫画だけど、大丈夫よ! ほら……ほぼ全般に渡って主人公が超魔術で人を騙すとこだから、麻雀を知らなくても楽しめるわ。ちなみに主人公アカギは天才なのに、たまに工場のラインでバイトしてるの。貧乏って嫌ね。

▼さてアニメ版よ。ふん……表面的には確かに問題ない作品ね。でもダメよ――これは連載を読んでるあなたに改めて言っておくわ――このコーナーはただのアニメ批評じゃない! 目的を見失わないで! そんなあなたはあなたじゃない! 私たちの目標はアニメを見ることじゃないのよ。セル画の遙か向こう。そこにある霊的なメッセージの啓示を受信することにあるの。

▼や……やだ、ちょっと昂奮しちゃったじゃない……もう!

霊障はオープニングに既に現れているわ。ここよここ、きゃっ! ば、ばか……近づきすぎよ! なんだか今日熱いわね……オープニング、アカギが昭和の街を歩くカット。ここよ……カメラはアカギをアオリ(ローアングルから見上げる角度)で捉えてる。いきなり間違ってるわこんなの! この人たち何も分かってない! 霊的に敏感なあなたなら分かるわよね? こんな当たり前のこと言いたくないけど……この漫画の原作者の守護霊が福沢諭吉だってこと……分かるわよね? その根拠はどこにあるのか、ですって? 呆れた! 原作漫画には、アオリのカットが99%存在しないのよ! これがどういう意味なのかわからないの!?  「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」ってことじゃない! この鈍感! もう! なんで気づかないのよ……目玉えぐるわよ! つまり、原作は下から見上げるアオリのアングルを廃して、あくまで登場人物と同じ目線、人間として同じレベルで画を描くことによって諭吉マニフェストを体現しようとしていたの。諭吉革命で諭吉民営化よ。それがアニメでは出来てないのよ!

▼諭吉からの霊的メッセージを知らせるため、あなた! 今日から一日100通制作会社に投書しなさいよ! あなたがするの! いい? わ、私もチョットだけ、て、手伝ってあげる……べ、べつに、アカギのことなんか、好きじゃないわ。あ!(落ちた生徒手帳からチラリとあなたの写真)み、見た!? 見てないわよね!!!ほっ……。

▼獲得した能力:〈アニメ批評力+20〉〈ボーナス+3ペリカ〉〈ツンデレ力+10万ツン〉

 

初出:QuickJapan

百舌谷さんを思い浮かべて読むがいいです。

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霊的動画批評第4回「おねがいマイメロディ」

▼こんばんわですぅ~諸君!(>_<)
前世ネットアイドルだったミンキー☆海猫沢だヨぉ!オトナじゃない!オトメデス!
連載も四回目、文字を書くのが面倒☆ミ
今日紹介するのは「おねがいマイメロディ」というアニメですぅ。
紹介する理由はかわいいからですぅ~。ぶっちゃけもう霊とか魂とか批評とかどうでもいいですぅ~ていうか批評なんか一度もしてないんだけどネ!(^_^)キャハッ!

▼子供から大人まで世代をこえて親しまれているサンリオのキャラクター、「マイメロディ」が初アニメ化! ひょんなことから人間界へ行くことになったマイメロディはライバルのクロミの悪巧みに対して中学生の女の子、夢野歌と共に魔法の力で人々の大切な夢を守ってゆく、明るくて楽しいキュートなラブコメディーアニメ。
サイトに書いてあった文章をコピペしてみましたぁテヘッ!(´w`)ぷんぷん!?
怒らないでね~怒らないでね~ヽ( ´ー`)ノ☆
おわりぎぎぎぎ

※編集部注 めろん先生は10月下旬、前立腺癌と生活苦とシ●ブの打ちすぎで病院へ入院されベジタブルメン=植物人間になりました。短い間でしたが、皆さん応援ありがとうございました。なお、BMめろん先生の連載は続きます。

▼身体が緑色のBM海猫沢です。今はオックスフォードでMBAを取るために猛勉強しております。植物人間の生活はとてもつらい。
性欲や食欲がない。
しかしながら欲望=夢は生きる原動力であり失ってはならぬ。真の夢を持つにはいかにすれば良いか?今回マイメロを紹介したのは、個人的に好きだからでもなんでもない。「夢」を掴む答えがここにあるのだ。

▼考えてみよう。……。

▼申し訳ない。植物には脳みそがないので考えられない。ちょうど同室のTOMがプレイボーイを読んでいる。そうだった。ウサギは激しい交尾をすることで有名な動物である。これにあやかる意味でプレイボーイのロゴはウサギなのだ。

ならば「おねがいマイメロディ」の主人公、マイメロはウサギ=セックスマシーン

Sex Machineと言えば言わずと知れたJBの名曲……つまりマイメロディで言われているこの「メロディ」とはFunkのことだが、FunkイズBluck music……マイメロは白い……ということはマイメロと対極に配置されたイタズラ黒ウサギ「クロミ」のほうがこのアニメの主人公だったんだよ!
白 vs 黒。どう考えてもWASP vs ブラックパンサーの戯画化に他ならない。凄い。さあ、性と暴力と政治的メッセージが爆裂のマイメロを見て夢をもぎ取れ。
葉緑素が足りないのでまた次号。
誰かハイポネックスとハロゲンライトを設置してください。
あと、窓際に置いてください。
枯れそうです。

▼今回の原稿はすべて夢の中で書いたものである。これを読んでいる諸君も夢なのである。

▼獲得した能力:〈アニメ批評力-30〉〈ファンシー+10〉〈ファンキー+100JB〉〈不自由さ+300Z武〉


初出:QuickJapan

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霊的動画批評第3回「ぱにぽにだっしゅ!」

クワッ!思わず第三の目を見開いてみたが、諸君らのバイオリズムはいかがだろうか。自分はここ最近すこぶる体調が悪い。たぶん老衰だと思うが、今日は孫が送ってくれたよもぎ餅を食べて早めに床に着こうと思う。

▼ところで巷には「サザエさん症候群」なる病があるのを諸君はご存じだろうか。日曜のサザエさんが始まる時間帯になると、明日から始まる学校や会社のことで憂鬱になるあれのことである。自分の場合は、早起きの老人が見る「おはようゲートボール」を見ている時点で既に憂鬱だった。ブラウン管の中でゲートボールに興じる死期の近い御爺様方を眺めながら、頭の中でいじめっ子の殺害方法ばかり考える新本格小学生であった。だが大人になり、決して自分がおかしいわけではないということを知った。現在小学生の読者も悩む必要などない。これは来週から始まる学校での様々な災害を予測して身体が拒否反応を起こしているのである。つまり「予知」(プリコグニション) の一種が働いていることに起因する霊的な現象なのだ。だがそのほとんどは単なる勘違いなので、ある意味、霊力が暴走していると言えよう。ダンバインイデオンなど、富野監督の作品を熟知している諸君なれば当然の如くご理解いただけると思うが、神秘の力は必ず暴走するそしてみんな死ぬ

▼今回紹介するアニメ「ぱにぽにだっしゅ!」も同じように霊力が暴走している。気を付けたまへ。タイトルを口にするときも覚悟せねばなるまい。「『ぱにぽにだっしゅ!』超いいよ。新房監督超クール。ソウルテイカーの時からあのスタイリッシュなカット作りに惹かれてたんだよ。ネコミミモ~ド☆」などと口にした瞬間、諸君らは「っていうか超キモい」のひとことで秒殺される。しかし、どのような仕打ちを受けても女性を恨んではならぬ。「ぱにぽにだっしゅ!」をキモいと仰る女性たちは本心からそう言っておられるわけではない。単に照れくさいだけである。嗚呼奥ゆかしいではないか。「ぱにぽにだっしゅ!」タイトルがなぜすべてひらがななのか考えて頂きたい。ひらがなは女性が発明した文字であった。女性性が宿っている。これは霊的メッセージである。ここには女性信仰の意志が秘められているのだ。平塚らいてうがこの時代に生きていれば「ぱにぽにだっしゅ!」を絶賛するであろうことは疑う余地もない。

▼話が逸れた。本来ならここで自分は、諸君らに霊力暴走を止める方法を伝授せねばならないのだが、原子炉から漏れる放射能の如き勢いで放出される超濃度の霊力を備えた「ぱにぽにだっしゅ!」はアニメ界の「もんじゅ」である。どうすることもできぬ。そのまま被爆せよ。有害物質にまみれた毒々モンスターや発電所で事故ったカゲスターなどの例をあげるまでもなく、この世界では酷い目に遭うと生まれ変わってヒーローになれる。諸君らも「ぱにぽにだっしゅ!」の暴走する霊力を浴び、霊的に進化して頂きたい。

面倒くさいのでアニメの内容は紹介しない。見れば分かる。欠かさず見よ。録画してエンドレスで見よ。

▼獲得した能力:〈アニメ批評力+5〉〈オーラ力+10〉〈破滅力+100イデ〉

(初出:QuickJapan)

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