▼すばる連載の
「はたらく」ということをテーマに「すばる」で、ぼちぼちとやってきた連作短編「ニコニコ時給800円」。
やっと最終話が書き終わったー!!
二〇〇九年の六月号からはじめたので、ほぼ丸二年かかってしまった……。
二年前はロスジェネとか派遣問題が活発に議論されていたように思うんだけど、今はすこし雰囲気が変わったような気がするなあ。当時は状況を変えるために戦う気運が高まっていたのだけれど、今はもう抵抗するより、この状況でいかに生き抜くかという問題になってきている。
他人にとっては過去でも、いつだってそこで戦ってる人がいるので、どんな問題でも過去のことにしちゃいけないんだけれど(以前、関西に帰ったときに神戸新聞を見たら、一〇年前の明石の花火大会圧死事件の続報が載ってて……)、派遣問題の象徴であった「加藤の乱」の加藤の処遇に決着がついた今、それもおそらく過去のことになっていくんだろう。災害の報道は重要だけれど、その裏でかき消されてしまうものがあるのかもしれない。
歴史というのはこうして、強い事実と物語で上書きされていくのだろう。
連載中に取材対象であったぼくの友人が亡くなったり、秋葉原の事件の被害者に近い身内がいたり、そういうこともあってとても思い入れがある作品です。
7月には単行本として発売される予定ですので、少々お待ちを。




装丁は、名久井直子さん@情熱大陸。任せて安心、信頼の職人技。名久井さんの装丁本で一番読んだのは、いなたい路地裏の雰囲気漂う、なるさんの『歌舞伎町のミッドナイト・フットボール―世界の9年間と、新宿コマ劇場裏の6日間』なんと表紙カバーがポスターになるというギミック。今回の本はギミックこそありませんが、とても美しい繊細な仕上がりになっており、触れると壊れるので書店で見かけても買わないでください。拝むだけでよろしくお願いします。三礼・三拍三回お辞儀をして、三回手を叩きましょう。お賽銭を忘れずに。きっと御利益があることでしょう。そのまま巣鴨の高齢化ゾーンに飛び込み無縁社会を生き抜きましょう。ゲットワイルド!いま会いたくて震えてます。なにを言っているのかわからないのでさようなら。